- 2025.02.19
- 本格化するサバイバル
沖縄キャンプは半ばを過ぎて、本格的な実戦段階へ。激しいチーム内競争も佳境に入って行く。
右京一発も「まだまだ全然」
15日(土)、第4クール初日。宜野座に東北楽天を迎えて今キャンプ初の練習試合が行われた。新体制となって最初の対外試合は、投打噛み合う快勝となった。
先発・門別は初回失策絡みでピンチを背負うも切り抜け、2回を無安打無失点。この後富田・畠・佐藤蓮・及川・岡留と繋ぎ、楽天打線を封じ込む。打線は近本・大山・森下らが出場しない中でも、木浪のソロ本塁打や前川の3ランと効果的な一発も飛び出して10安打6得点。6対0と東北楽天を攻守に圧倒してみせた。
5番レフトで先発出場の前川右京外野手は、5回裏の第3打席で渡辺翔のパームボールを右越えへ3点本塁打を放つ。「1・2打席目は真っ直ぐタイミングで全部突っ込んで左肩が前に出て」しまっていたが、自ら修正して泳ぎながらも我慢して対応出来た事が収獲だった。前監督である岡田彰布オーナー付顧問からのアドバイスを生かして1つの結果を出したが、「まだまだ全然だと思うので、また明日さらに良くして、徐々に良くして行きたい」と貪欲な姿勢を示していた。

育成右腕『火の玉』デビュー
16日(日)、対広島・練習試合(宜野座)は、前日から一転11対0と大敗を喫する。前日は6投手が完封リレーをみせた投手陣だが、この日は3人目のベタンセスが押し出しを含む4四球で3安打7失点を喫するなど総崩れ状態となった。ベタンセスは回の途中での交代となったが、藤川監督が直々にマウンドへ行き「今日はこれでイイ」と握手をして労うシーンが印象的だった。

その中で光ったのは、具志川組からこの日合流した育成1位・工藤泰成投手(四国IL徳島)。8回表、今季の新人では一番乗りとなる初登板で158km/h(球場計測)を投げ込むなど1イニングを1安打無失点に抑える。いきなり見せた火の玉ストレートで掴みはオッケー!「支配下(登録)は通過点」と話す剛腕がシンデレラ・ストーリーの第一歩を踏み出した。

この日は具志川組の中日戦(練習試合・読谷)が雨天中止となり、急遽そのメンバーから糸原・原口らも合流。6番指名打者で出場した原口文仁内野手はレフト線二塁打としぶとく運ぶ右前安打と気を吐き、「先ずは、しっかり直球を自分のタイミング、良いポイントで打ち返すコトが大事だと思う」と話している。

「お先でーす!」「知らんけど」
17日(月)、午前の投内連係に才木・村上・大竹ら主力投手陣が多数登場。またネルソン、ビーズリー、デュプランティエの外国人3投手は、ライブBPで実戦形式の投球を披露した。
先発候補となるデュプランティエは、井上・野口・島田を相手に計24球を投じたが、最速157km/h右腕のストレートが「真っスラ」気味に伸びてくる感覚に各打者手を焼いていた。(この日は最速154km/hを計測)クロス気味に向かってくるようなフォームなので、右打者には踏み込みづらそうでもある。

安藤優也投手チーフコーチは、ブルペンの印象と「また少し違った」「少し球は荒れていたけど、それ以外は順調かな」と話している。キャンプ序盤には体調不良で休む事もあったが、ここまでは全く問題無さそうだ。
登板前には、試合時のルーティンと同じくマウンドで膝をついて祈るポーズを披露。米国の名門大で学んだエリートでもあるジョン・デュプランティエ投手は、来日前から球団の歴史などを研究していたと言う。日本文化にも積極的に触れて、チームメイトから「お先でーす」や「知らんけど」と言った日本語も教えて貰ったとゼスチュアー付きで話し、報道陣を笑わせていた。
守備練習では、無死か一死で走者が3塁にいる場合の前進守備と通常シフトの間で、バックホームか1点やむなしの判断を野手に委ねる『中間守備』のノックが行われた。これは岡田前監督時代には原則敷かなかったフォーメーションだが、「そういう事もあるかもしれないから準備している」し、「判断力を上げる」為の練習も兼ねてやっていると田中秀太内野守備走塁コーチは説明する。従来より守備の選択肢が増えるカタチだが、選手たちに戸惑いはない。中野拓夢内野手は、「今年は中間守備もやると思う。臨機応変に併殺を取るのか?本塁へ投げるのか?」を打球に応じて各自が判断する練習に臨んでいる事を明かした。
具志川キャンプでは、国指定の難病である『胸椎黄色靱帯骨化症』からの復活を目指す湯浅京己投手が、12日以来2度目の実戦形式となるシート打撃に登板。最速149km/hの速球など打者6人に24球を投げ込んだ。宜野座から視察に駆けつけた藤川監督も、健在ぶりを見届け安堵の表情を見せた。先ずは他の投手と同じ土俵で競争するところに戻って来られるか?という段階ではあるが、「もう少しのところまでは来てるんじゃないか」と指揮官はみている。監督の立場と言うよりは、人情として復活を願う気持ちは「ファンの方たちと同じ」。温かい周囲の支えを受けて、湯浅はゲームで投げるという次なるステップへと向かう。

ベール脱いだ即戦力ルーキー

18日(火)、第4クール最終日。宜野座でのシート打撃に新人の伊原・木下が初めて登板した。監督からは「社会人でやってた時と全く一緒だよ」と言われて送り出された2人だが、また1つ段階を踏んで、「オッケー!ナイスクリア」の声を貰っている。

腰の張りで12日から別メニュー調整を行う森下も日に日に回復している様子で全体メニュー復帰が秒読み状態だ。「(今クールは練習試合が)連戦であったので、正直疲れているところがあり、選手のコンディションを気にしながら観ていた」藤川球児監督。次のクールで組まれているオープン戦を睨んで、「どのレベルでゲームを執り行うのか?を考えなければならない」と話した。個人個人がそれぞれの課題に取り組んで来た成果をカタチで見せる実戦段階。キャンプは総仕上げの時期へと向かう。


















