- 2025.11.01
- 志貫き、成し遂げたリーグ優勝
藤川球児新監督率いる新生タイガースで臨んだ、球団創設90周年のシーズン。開幕から順調な滑り出しを見せると7月には独走態勢に入り、史上最速でリーグ優勝を成し遂げた。CSファイナルステージを3連勝で勝ち抜き、日本シリーズの舞台へ。しかしパ・リーグの覇者ソフトバンクに倒され、2年ぶり日本一の夢を叶えることはできなかった。

芯を持ったチームを作れた
日本シリーズ終戦から一夜明けた10月31日(金)、藤川監督が大阪市内の阪神電鉄本社を訪れ、秦雅夫オーナーにシーズン終了を報告。その後、粟井一夫球団社長と共に会見を行った。

就任一年目のシーズンを振り返った藤川監督は、「私がするべきことは、口で言うより行動で示すことと思ってこの一年戦った。リーグ優勝の報告をできたのは、言葉より行動を大事にしたその勝負に、自分が打ち勝ったのではないかと思う」と納得の表情。「90年目を預からせていただいた監督としては、芯を持った強い、心のブレの少ないチームを作ることを体現できたんじゃないか」とうなずいた。
監督就任前に抱いた信念は、「貫けた」とキッパリ。「監督という役割を引き受けた時点から、勉強はすれど志が変わることはない。これが私のやり方」と胸を張った。

チームとして成長した点は、「選手のパフォーマンスとチームの結果とを結びつけることができる組織作り」。今シーズンは、村上頌樹投手が最多勝利、最高勝率、最多奪三振の3冠に輝き、才木浩人投手は最優秀防御率のタイトルを獲得、佐藤輝明外野手は最多本塁打と最多打点の2冠、近本光司外野手は4年連続6度目の盗塁王で、「何名の選手がタイトルを獲ったか、その集合体がリーグで1位なので」と手応えを口にする。
MVPは坂本、中野、そして大山
MVPを問われると、「これだけみんなが頑張ってくれたシーズンで、(投打で)一人ずつは難しい」とした上で、「監督の場所から見渡して一番頑張ったのは坂本。それから中野」と返答。扇の要として盤石の投手陣をリードした主戦捕手と、全試合に出場した選手会長の名前を挙げた。

「表舞台で勇ましく戦ってくれる選手もたくさんいる。ただ、チームを支えるというのはどれだけ難しく価値のあることか。チームが本当に勝つためには見えないような小さなことがとても重要で、それを体現してくれた。その中には大山も入る」と、3番・森下、4番・佐藤輝を支えた不動の5番を称えた。

来シーズンもまた一歩ずつ
共に戦い後押ししてくれたファンへは、感謝の言葉があふれた。「全国各地どの球場に行っても、ファンの方が熱い応援をしてくれた。時には叱咤激励をくださったことで、明日に立ち向かうことができる。私はそれだけ強い自分を持っているつもりなので、チームが物足りない時はすべて私に矢を向けていただいて結構です」といい、「日本一に届かなかったのも私の責任なので、今度は日本一になるための刺激をください」と語りかけた。

連覇、そして日本一奪還に挑む来シーズン。指揮官は、「私は球進一歩というテーマを、監督を続ける間は持っている。一歩ずつ来た暁が最後のゴールなので、また一歩ずつ。ファンの皆さんと一緒に、来シーズンまた1試合目から、遠いゴールではなく日々頑張っていきたいと思う」と力を込めた。
個の力を伸ばす
11月1日(土)からスタートする秋季キャンプを前に、31日には平田勝男ファーム監督はじめ参加選手たちが高知県安芸市入り。高知空港到着時には、歓迎セレモニーが行われた。

若手選手中心となる、今キャンプ。藤川監督はオーナー報告後の会見で、「チームとして持っている課題は、右の速球派リリーフの台頭」と言及し、「プロフェッショナル、チーム生え抜きの右のリリーフ投手たちを育て上げる責任がある。まずはそこが一番」と最重要の強化ポイントとした。
「それプラス、野手のほうに目を向けると、まだまだキャリアのない選手たちがいる。その選手たちがやるべきことは、一芸なのかそれともトータルなのか、送りバントであったり作戦系に卓越した選手を作るのか総合力の高い選手を作るのか。今日から行ってくれている平田ファーム監督とさらに密に連絡をとって、生え抜きの選手のバックアップを新たに作る必要がある」と、来シーズンに向けてのチームづくりに秋季キャンプから着手する。
レギュラー獲りに挑む若手選手たちには、「彼らはアスリートとして伸びるのみ」と指揮官。「どんな環境でグラウンドに出てもらうかは、監督の私が決める。環境を選ばないアスリートになること。チームや環境を選ばない個の強さを目指すのがアスリートなので、チームのために育ってもらう必要はない。個の力を伸ばす」と期待を寄せた。
収穫多き、実りの秋に。個の力を伸ばすため、鍛錬の日々が始まる。


















